どこでもクレジットカード 審査
車や不動産などといったいくつかのタイプの資産以外には、清算価値か継続価値かといった選択を、客観的に判断する方法がありません。
特に、知的所有権などの無形資産などの場合が、これにあてはまります。
結果として、多くの場合、資産の「帳簿価額」、つまりその企業の会計資料に記載されている資産の価値を使用する、という近道をとることが多くなります。
この価額は、資産を購入する際に支払った金額が元になっています。
しかし、その当の資産は、年月がたつにつれ、価値が減ったり増えたりしていますので、この帳簿価額をそのまま用いると、誤った判断を招くことになりかねません。
さらには、会計上では、毎年、企業が一定の割合で資産の価値を減らしていくことが認められています。
これを「減価償却」と言います。
減価償却は、費用として計上されることが認められており、これを収入から差し引くことにより、企業は課税対象額を減らすことができるのです。
資産のタイプによって償却期間が定められており、この期問が終了すると、たとえビジネス上変わらずその資産が生かされていたとしても、帳簿上の価値はゼロに近くなっている、という現象が起こります。
この他にも、アセット・アプローチには、様々な微妙な要素が含まれます。
では、アセットアプローチ以外のテクニックも見てみましょう。
例えば、あなたがある会社の価値を知りたいと思っているが、その会社は上場されていないとします。
つまり、現在の株価を知り得ない、ということです。
そのような場合でも、もしその会社が属する産業で、 M&Aが盛んに行われていたとしたら、「競合各社」の売却価格を見ることで、その会社の価値を推し量ることができます。
具体的には、買収された競合会社が上場されていれば、その会社の「一株当たりの収益(株価収益率) :P/E ratio」とあなたがターゲットとする会社のそれとを比較し、会社の価値を探ることができるということです。
もちろん、ターゲットとする会社が利益を生んでいる、ということが前提ですが。
この方法は「類似公開会社比較法(comparables)」または「上場株価比較アプローチ(market approach)」などと呼ばれるものです。
このテクニックの肝の部分は、高価値の企業があなたのターゲットにいかに類似性があるかを示し、一方で低価値の企業はいかに類似性がないかを示す、という点にあります。
ずいぶんと主観的じゃないか---と不満をもったあなたは、正しい。
この方法のもうひとつの問題は、基準がP/Eレシオである限り(もっといえばそのディールが過去のものである限り)、判断基準が「過去」のみである、ということにあります。
テレビ女優たちは、過去にどんなに人気があったとしても、それに未来永劫依存することはできないということを、先例から十分学んでいるはずですよね。
同様に、もしターゲットとする会社が今後も営業されていくのであれば、 「将来の」オペレーションから生まれる成功や失敗も、価値予測の中に含めねばなりません。
そこで、ここ20〜30年の間に、次なるアプローチが生まれ広まりました。
名称は多少異なる場合がありますが、その方法は「ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法: discounted cash flow)」として知られています。
DCF法とは一般的に、将来のキャッシュ・フローの現在価値(presentvalue / PV)を割り出すというもので、方法によってはキャッシュ・フローよりも「経済的利益」を算出するほうに重きを置くものもありますが、ここではそれらも含め「DCF」と呼びたいと思います。
PVを理解する早道は、利息の複利計算による比較です。
どこからかお金を借りたことがある人は、この「複利」を経験したことがあるのではないでしょうか。
日本では超低金利が続いていますので、借金する以外に複利を皮膚感覚で理解することは難しいでしょうが、日本以外の国では、預金でも複利による差を感じることができます。
例えば、米国の銀行に、 1年複利・年利5%という条件で、 1,000ドルを預け入れたとしましょう。
1年後、あなたの口座には1,050ドルが入っているはずです。
複利とは、元本に利息を乗せたものが次の金利計算の元本になる、というのが基本ですから、あなたが引き出しをしない限り、 15年後の受け取り金額(return,R)はだいたい2,079ドルとなります。
この計算を式に表すと、当初預入金をD、年利をi、年数を乗数nとした場合、 R-Dx (1+i)nとなります。
先ほどの例だと、 iは0.05、 nは15となります。
でも、もし利息が年間複利ではなく、月間で複利になるものだったとしたら、どうでしょう。
その場合、さきほどのiに、年利を12分の1にしたものを入れ、 nを12倍すればいいのです。
実際に計算機を使って試算してみてください。
あなたの手取額は、35ドル増えるはずです。
ここで、質問をひっくり返してみましょう。
例えば、あなたは20年後に2,000ドルほしいと思っていたとします。
実現するには、今口座にいくらあればよいでしょう?この質問に答える場合も、先ほどの計算式が役立ちます。
今回はRがわかっていますから、はじき出したいのはβですね。
利息は仮に、嬉しいことに年利7%で、四半期ごとの複利だったとします。
この数字を計算式に入れ込んでみると、 βはだいたい706.26ドルになるはずです。
これが、将来受け取る2,000ドルの「現在価値」になります。
DをPVと言い換えるなら、先ほどの計算式は、PV-R/ (1+i)になる、というわけです。
この考え方が、投資銀行家やビジネスを評価する人間などのプロが使うDCFの基本のひとつになります。
もちろん、会社は預金ではありませんから、計算式に様々な補正が必要になるでしょう。
例えば、 Rは金利収入だけを表すものだけとは限りません。
DCFテクニックにより、キャッシュ・フローや利益など、その表すものは異なります。
また、相手が会社ですから、 Rが発生するのは数年に1回ではなく、毎月や毎四半期、もしくは毎年であることを期待するでしょう。
ですから、異なるいくつもの期間に発生する要素を複利で計算し、各要素を合計しなければなりません。
そして、係数として金利を表すiではなく、 「d」という定量を用いることになります。
プロが使うDCF式を見たら、きっとあなたは「すごいなあ」と関心することでしょう。
しかし、すでに気づいている人もいると思いますが、 DCFは科学というよりはむしろ、芸術に近いのです。
先ほどの銀行預金の例では、 PVを計算する前に、 Rを2,000ドルと決めていましたよね。
ビジネスの場面で実際にDCFを使うときには、 Rがどうなるかは誰にもわからないのです。
つまり、大前提となる数値が、全くの推測で決められるということです。
定量「d」を決めるのは、銀行預金の例で使った金利「i」と同様、一筋縄ではいきません。
DCF上ではこのdは「資本コスト(costofcapital)」または「ディスカウント・レート」として知られています。
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